「最近、仕事や家事で疲れ切っていませんか?夜になってもストレスが抜けず、気づけば肩やお腹がこわばっている……。そんなあなたにぜひ試していただきたいのが “手当て”によるセルフケアです。実は、手を当てるだけでオキシトシンが分泌され、心と体がほっとする瞬間が生まれます。
本記事では、なぜ手を当てることでリラックスできるのか、その科学的根拠や、効果を最大限に引き出すコツを具体的にご紹介します。」
1. 「手当て」が生み出す癒やしのメカニズムとは?
私たちは不安や緊張を感じると、自然とお腹や頬、肩など、痛みやコリを感じる部位に手を当ててしまうことがあります。これは単なる無意識の行為ではなく、体が本能的に「安心感」を得ようとしているサインです。
そもそも「手当て」という言葉は、けが・病気などの治療行為を指しますが、その語源の一説には「手を当てて癒やす」行為が関係しているともいわれます。実際、手で肌や体に触れると、血流の改善や神経系の落ち着きを促し、痛みやストレスを和らげる効果が期待できます。
特に注目されるのが、触れ合いによって分泌される「オキシトシン」というホルモンです。
オキシトシンは、信頼関係を深め、幸福感や安心感を与える働きがあり、「絆ホルモン」や「幸せホルモン」とも呼ばれています。
2. 「絆ホルモン」オキシトシンを引き出す3つの条件
オキシトシンをしっかり分泌させ、手当てによる癒やし効果を最大化するには次のポイントが重要です。
(1) 信頼関係のある相手と触れ合う
“触れたい・触れられたい”と双方が快適に思える関係性が大切。嫌々なスキンシップでは、オキシトシンは十分に出ません。
(2) 自分がリラックスしている状態で触れる
オキシトシンは相手の感情に同調しやすい性質があります。リラックスし、愛情を感じながら触れると、相手も安心し、幸福感の相乗効果が生まれます。
(3) ゆっくりした速度で、5~10分ほど触れ続ける
英国の研究(※1)によれば、1秒に5cm程度のゆっくりとしたなで方がもっとも心地よいとされます。焦らず、ゆったりとスキンシップすることで、より深いリラックス状態が得られます。
3. セルフマッサージでオキシトシン効果を高める4つのポイント
忙しい現代人にとって、常に相手がいてくれるわけではありません。そんなときはセルフマッサージがおすすめです。以下の4ポイントを意識することで、一人でもオキシトシン分泌を高められます。
- 「ながら」ではなく “今ここ”に集中する
テレビを見たりスマホをいじったりせず、皮膚がどう感じるかに意識を向けます。 - オイルやクリームで心地よさをプラス
オイルやクリームを塗ると摩擦が減り、肌触りがより滑らかになってリラックス効果がアップします。 - ゆっくり深呼吸しながら行う
深い呼吸は副交感神経を優位にし、心を落ち着かせるサポートをします。 - 背中やお腹は10秒ほど温めるように手を当てる
丹田(おへそ下あたり)や背中を温めるように手当てすることで、ストレス緩和が期待できます。
また、逆に頭をシャキッとさせたいときは、オイルなしで少し速めのテンポで肌をさすると、交感神経が活性化し、目覚め効果が得られるでしょう。
4. 「手当て」の効能 まとめ
「手当て」とは、不安やストレスを和らげ、人との関係性を深め、幸福感を生み出す効果的な手段です。
その背景にはオキシトシンというホルモンの存在があり、触れ合い方やセルフケアの手順を工夫することで、その効果を最大限に引き出せます。
オーガニックオイルなどのツールをうまく活用すれば、忙しい日常でも手軽に実践可能。ぜひ今日から始めてみてください。