【痛風・高尿酸血症対策】プリン体400mg/日制限とアルコール管理で「もう二度とあの痛み」を予防しよう

「尿酸値が高いと言われたけれど、何から始めればいいの?」痛風や高尿酸血症が気になる方にとって、プリン体摂取量やアルコールとの付き合い方は大きな課題です。実はガイドラインには、1日400mgを目安とするプリン体摂取制限が示されています。また、アルコールはプリン体含有量が少なくても尿酸値を上げる要因となることが知られています。本記事では、なぜプリン体やアルコールが尿酸値に影響するのか、その仕組みを丁寧に解説し、日常生活で実践しやすい対策を提案します。

 

1. なぜプリン体制限が必要なのか?

プリン体は、DNAやRNA、ATPなど、生命活動に欠かせない物質の分解過程で最終的に尿酸へと代謝されます。食品中のプリン体を多く摂取すると、その分体内で生み出される尿酸が増え、尿酸プールが拡大。これが高尿酸血症や痛風発作のリスクを高める原因となります。

『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』では、1日400mgを目安にプリン体摂取を抑えることが推奨されています。

2. 1日400mg目安のプリン体摂取制限:具体的な食品例

プリン体は細胞数が多く、成長が盛んな組織に多く含まれます。レバーや白子、カツオ、イワシ、エビなどは100gあたり200mg以上含む場合もあり、「多い食品」に分類されます。干物や干し椎茸など水分が抜けた食品は濃縮されてプリン体量が高くなりがちです。

1日400mgを超えないよう、これらの食品を大量に摂取しない工夫が必要です。ただし「美味しいものが多い」ので、完全カットではなく、全体の食事量を減らしながら「少しずつ楽しむ」方向で、栄養バランスを崩さず続けることが大切です。

3. アルコールはなぜ尿酸値を上げるのか?プリン体含有量以外の3つのメカニズム

アルコール飲料中のプリン体含有量は意外と少ないこともありますが、それでも尿酸値を上げる理由は以下の3点です。

  1. ATP分解促進:アルコールがエネルギー代謝を乱し、ATP(体内のエネルギー通貨)が分解されやすくなる→プリン体生成増加→尿酸増。
  2. 腎臓機能低下:アルコールは腎臓機能を弱め、尿酸排出を妨げる。
  3. おつまみの影響:アルコールと一緒にプリン体豊富な食品(レバー、イワシ、白子など)を過剰摂取しやすくなる。

4. 「ビール=悪、蒸留酒=安全」ではない理由

ビールはプリン体を含み、飲酒習慣と合わさると尿酸値上昇が顕著にみられます。事実、「毎日ビール1缶」で数年かけて尿酸値が0.5~1.0mg/dL上がる可能性が報告されています。

一方、蒸留酒(ウイスキーや焼酎)やプリン体カットビールなら安心かというと、そうでもありません。プリン体が少なくても、アルコール自体がATP分解や腎機能低下を引き起こし、結果的に尿酸値を上げるからです。あくまで「量と頻度、飲み方」が鍵となります。

5. 食事・おつまみ選びのコツ:プリン体制限とアルコール管理の実践法

  • プリン体の多い食品は適量で:レバーや白子、干物は美味しい反面プリン体が高いので、一度に大量に食べない。
  • おつまみは野菜や豆腐、海藻類へシフト:プリン体含有量が低く、尿をアルカリ化し尿酸排出を助ける食品を選ぶ。
  • アルコールは週2日は休肝日を:毎日飲むとリスク増。適量かつ休肝日を設けることで尿酸値上昇を抑えやすい。
  • 水分補給を忘れずに:脱水状態は尿酸排出を妨げます。水やお茶をしっかり飲みましょう。

6. 無理せず続けるために:適度な楽しみ方とストレス軽減策

「プリン体ゼロ」とか「一切お酒を飲まない」といった極端な制限はストレスを増やし、長続きしにくいものです。美味しいものを少し取り入れつつ、全体の摂取量をコントロールしたり、運動や十分な睡眠でストレスを緩和するなど、心身のバランスを整えることが重要です。

7. まとめ:プリン体制限+適量飲酒+バランスの取れた生活で痛風発作を遠ざける

プリン体の1日400mg制限とアルコールコントロールは、痛風・高尿酸血症対策の基本的な柱です。プリン体は美味しい食品に多く含まれ、アルコールはプリン体量以上に体内で尿酸を増やす要因が潜んでいます。

しかし、完全な我慢ではなく、適度な量とバランスで「上手に付き合う」ことが大切です。健康的な食事、有酸素運動、水分補給、ストレス対策を組み合わせれば、長期的に尿酸値を管理し、痛風発作を防ぐことができます。自分が「納得」できる改善策で、もう二度とあの痛みに悩まされない生活を目指していきましょう。

※公益財団法人 痛風・尿酸財団ホームページより引用しました